マルコス大統領を米国へ招待 米バイデン大統領が書簡を送る
米バイデン大統領がマルコス新大統領に書簡を送りワシントンへの公式訪問を招請した
米国のバイデン大統領がマルコス新大統領に書簡を送り、米ワシントンを公式訪問するよう招待したことが2日までに明らかとなった。ホセ・ロムアルデス駐米フィリピン大使がニュース番組に出演し、6月30日のマルコス大統領就任式に米代表団を率いて参加したダグラス・エムホフ氏=米国のカマラ・ハリス副大統領の夫=がバイデン大統領からの書簡を持参していたと語った。3日の英字スター紙などが報じた。
同大使は「書簡にはマルコス大統領の就任を祝福し、早期の首脳会談の開催を望む内容とともに、マルコス大統領をワシントンへ招待している」と公表した上で、「ホワイトハウスからの公式な招待状だ」と付け加えた。
マルコス大統領は、父親の故マルコス元大統領政権下の人権侵害問題に関連する訴訟をめぐり、法廷侮辱罪で米ハワイ地裁から有罪判決が出ていることから、訪米すれば当局から拘束されるとも言われていた。しかし、ウェンディ・シャーマン米国務次官が6月9日のマルコス氏との個別会談で「国家首脳は外交特権による免責が適用されるため、米国へ自由に入国できる」と強調、訪米へのお墨付きが出た格好となっていた。
一方、マルコス大統領の就任式に合わせて米国以外の国々からも新大統領への公式訪問や国際会議への出席を求める招請合戦が続いている。
エジプト特使からは11月開催の国連気候変動枠組条約締約国会議(COP27)への招請を改めて受けたほか、ノルウェー臨時代理大使も欧州各国の首脳らが参加する同国主催の国際会議にマルコス大統領を招待し、再生可能エネルギー事業に関する協力関係構築について議論したいと伝えた。
また、ロムアルデス大使によると、米ニューヨークで9月に予定されている国連総会への出席や、タイで11月に開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議への出席も検討されているという。
しかし、マルコス大統領は外遊の前に国内問題にまず集中したいとの意向を示しているという。(沼田康平)