中国船操業に抗議 比中友好の日に合わせ
中国船約100隻が南沙フアンフェリペ礁周辺海域で操業を再開。外務省が抗議
フィリピン外務省は比中外交関係樹立47周年を迎えた9日、中国船約100隻が南シナ海南沙諸島フアンフェリペ礁周辺海域で操業を再開していたことに対し、外交的抗議を行った。同海域は比が自国の排他的経済水域(EEZ)内と主張している。
比政府は去年3月21日に中国船220隻が同海域で操業したことで抗議。その後中国船は一時姿を消したが、今年4月4日に100隻規模で活動を再開していた。
外務省は抗議声明で「同海域への中国船の集結は82年国連国際海洋法条約、16年南シナ海仲裁裁判の判断を含む国際法に反する。さらに南シナ海問題への自制を明記した02年南シナ海行動宣言の第5節にも違反している」と指摘。「中国船の操業は、不法であるだけでなく、地域不安定化の要因ともなっている」と抗議した。
同声明はまた、ドゥテルテ大統領と習近平国家主席が4月8日の電話会談で「南シナ海に関するいかなる企ても自制し、平和的な相互対話を通じて問題解決に取り組む」ことを確認したことにも言及。「両首脳の電話会談後にも中国船は国際法を破り続けた」として遺憾の意を表明した。(竹下友章)