「近隣諸国けん制意図せず」 バリカタン終了で国軍
過去最大の9千人が参加した比米合同軍事演習「バリカタン」が全演習日程を終えた
過去最大の9千人が参加した比米合同軍事演習「バリカタン」が8日、全演習日程を終えた。演習終了式典で比国軍のアンドレス・センティノ参謀総長は、同訓練を「比米両軍の能力向上が目的であり、近隣諸国(へのけん制)を意図していない」とコメント。同日にはドゥテルテ大統領と習近平国家主席の首脳会談が予定されており、中国との外交関係に配慮した発言とみられる。
同演習の指揮に当たったギアラン少将は演習の目的を「本当の戦争が勃発したときのために、同盟関係のある米軍と戦術や装備などの相互運用性を高めるための手段として実施した」と説明。
ジョセフ准将は「訓練と現在の出来事は関係がない」と強調。「われわれは現在、そして未来、両軍が侵略を阻止するために必要な能力や方針を改善するために取り組んでいる。この訓練はロシアとウクライナ間の戦争が勃発する1年前から計画されていた」と説明した。
今年のバリカタンは、ルソン島北部沿岸からパラワン島にかけて、海上警備、水陸両用作戦、実弾射撃訓練、都市作戦、航空作戦、テロ対策、人道支援・災害対応に焦点を当てた訓練を実施。
比米両軍は50機以上の航空機、4隻の艦船、10隻の水陸両用船、高機動砲ロケット砲システム4基、パトリオットミサイルシステム4基などを投入。今年の演習には、オーストラリア国防軍からも約 40 人が参加した。(竹下友章)