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3月20日のまにら新聞から

比の国連総会決議支持に感謝 EU史上最大の制裁を実行

[ 1056字|2022.3.20|社会 (society)|新聞論調 ]

この文章を書いている間にも、ロシア軍は隣国ウクライナに破壊の種をまき続けている。

 この文章を書いている間にも、ロシア軍は隣国ウクライナに破壊の種をまき続けている。数百人の市民、そのうち少なくとも58人の子どもが殺され、さらに多くの人々が負傷している。約300万人が身の危険を感じて国外に脱出した。都市は包囲され、住宅地や民間のインフラは瓦礫(がれき)と化している。

 ロシアが引き起こしたこの戦争は、ウクライナの人々のみに影響を与えるものではなく、ヨーロッパの安全に対する脅威に他ならない。国際秩序と世界平和の根幹をなす原則にあからさまに違反した行為だ。強者の理屈のみがまかり通るのであれば人類の安全は失われる。

 3月初旬、国連総会はウクライナの主権と領土保全を再確認し、国連憲章に違反するロシアのウクライナへの侵攻を遺憾とした。また、ベラルーシの関与を非難し、国際的義務を遵守するよう求める決議がなされた。その2日後、国連人権理事会はロシアによる人権および国際人道法の侵害を非難し、これらの侵害を調査し説明責任を果たすことを勧告するために調査委員会を設置した。また今週、国際司法裁判所はロシアに対し、2022年2月24日にウクライナ領内で開始した軍事作戦を直ちに停止するよう命じた。

 フィリピン政府に対してはロシアがクリミアを併合した2016年と同様、国連憲章の原則とルールに基づき国連総会決議を支持したことに心から感謝したい。

 比政府はウクライナにいるすべての比人の安全を確保するためにたゆまぬ努力を続けると同時に、ウクライナからの難民受け入れを申し出ていることにも感謝する。

 欧州連合(EU)はロシア連邦に対し軍事行動を直ちに停止し、ウクライナの全領土からすべての軍と軍事装備を即時かつ無条件に撤退させ、国際的に認められた国境内におけるウクライナの領土保全、主権および独立を完全に尊重するよう要請する。私たちはパートナーに対し、この呼びかけを支持するよう声を上げることを求める。

 EUはこの呼びかけに伴い前例のない制裁、EU史上最大の制裁を実行した。制裁はロシアの侵攻による欧州および世界の安全保障への脅威に対する正当な行為だと考える。これは、ロシア経済の複数部門を対象とした経済制裁と個人に対する制裁を伴っている。

 我々の制裁は主にロシア政府、金融機関、企業を対象としており、ロシア連邦全体の経済的安定に影響を与える。この侵攻を止めロシア市民への影響を終わらせる決断はプーチン大統領に委ねられている。(19日・スター紙電子版、リュック・ヴェロン駐比EU大使)

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