ISの地域総司令死亡か 国軍と武装グループが戦闘
南ラナオ州で国軍と戦闘となった「イスラム国」系グループのリーダーがISの東南アジア地域総司令官だった
ミンダナオ地方中部の南ラナオ州マギング町で1日、国軍とイスラム過激派「イスラム国(IS)」を信奉する「ダウラ・イスラミヤ」、そしてマウテグループの合同武装グループとの間で交戦が発生した。国軍は3日、同グループを率いていたリーダーがISの東南アジア地域の総司令官(emir、アミール)に就任していたことを明らかにした。
この戦闘では国軍の爆撃により過激派ゲリラ7人の死亡が確認されているが、遺体がばらばらになっているため、本人の特定は難しい状況で、同リーダーがまだ生きているのかは不明。
国軍の第103歩兵旅団のクエルポ司令官によると、このリーダーの名前はハッジ・サタール(別名アブ・ザカリアー)容疑者で外国人支援者との交信記録から昨年暮れに東南アジア地域におけるISの軍事司令官に就任したとみられる。
交戦が起きたのは同州マギング町イララグにあったゲリラ部隊の基地で、ゲリラ7人のほかに国軍兵士1人も死亡している。戦闘現場からは対戦車擲弾を含む45丁の銃器やイスラム国を象徴する旗なども押収されたという。国軍によると、2017年5月から半年間にわたり大規模な市街戦となったマウテグループなどイスラム過激派によるマラウィ市占拠事件の再来の前兆とする声も出ている。(澤田公伸)