首都圏レベル1緩和に「賛成」 大統領補佐官や首長ら
大統領補佐官、首都圏自治首長、研究グループから警戒レベル1への引き下げ支持声明
首都圏の新型コロナ防疫警戒レベルの更新を迎える3月1日に先立ち、大統領補佐官、首都圏自治体首長、研究グループから、5段階で最も緩やかな警戒レベル1への引き下げを支持する声明が続々出ている。現行の警戒レベルガイドラインによると、警戒レベル1になれば、レストランやジムなど対人サービスの利用率制限は撤廃。局所封鎖地区を除き、規制はマスク着用やソーシャルディスタンスなど最低限の防疫規制のみとなる。23日の英字各紙が報じた。
首都圏開発庁(MMDA)の意思決定合議体である首都圏評議会(MMC)のエドウィン・オリバレス議長=パラニャーケ市長=は23日、首都圏での感染減少を受け、17市町長全員一致で首都圏の警戒レベル引き下げを「支持する」との声明を発表。
MMC声明に先立つ22日、フィリピン大などの独立研究グループOCTAリサーチのギド・ダビッド研究員は会見で、首都圏の検査陽性率が5%を切り、世界保健機関(WHO)の安全基準に到達したと発表。「医療設備使用率も25%と低い水準にあり、来週3月1日に警戒レベルを1に引き下げられる」と述べた。
新型コロナ国家タスクフォースのガルベス大統領補佐官は21日の閣議で、首都圏を含むワクチン接種率が高い地域での警戒レベル引き下げは「可能」と指摘。具体的要件として「接種対象人口の70%、高齢人口の80%」を提示した。
一方、内務自治省のマラヤ報道官は22日の会見で「選挙期間中に防疫規則を順守させることは困難だ」と指摘。選挙運動期間中の感染急増に懸念を表明し、早期の緩和に慎重な姿勢を示した。
OCTAによると、22日時点の首都圏で、1人から何人に感染が拡大するかを表す実効再生産数(Rt)は0・21と「極めて低いリスク」。検査陽性率は4%で「低いリスク」、10万人あたりの平均新規感染者数(ADAR)は2・75で「中程度のリスク」に分類されている。22日の首都圏新規感染者数は209人まで減少している。(竹下友章)