「最悪の時期過ぎた」 オミクロン感染動向でOCTA
OCTAリサーチは、オミクロン株の感染が各地域でピークを超えたと発表した
フィリピン大などの独立研究グループ「OCTAリサーチ」のギド・ダビッド研究員は1日、フィリピンにおける新型コロナウイルスのオミクロン株感染拡大について、全国で感染者数が減少に転じ始めたことから「最悪の時期が過ぎ去った」との認識を示した。2日の英字紙マニラタイムズ電子版などが報じた。
ダビッド氏は会見で「ルソン、ビサヤ両地方では既にピークを超えた。ミンダナオ地方でも、ダバオ、カガヤンデオロ両市は最悪の時期を脱したと考えられる」とし、まだ感染が多い他の地域についても「ピークに近づいている」との予測を報告。南アフリカにおけるオミクロン株感染減少バターンとも「合致している」とした。
▽低リスクまで1週間
ダビッド氏はまた、首都圏の感染リスク区分について「1~2週間後にも低リスクになる」との予想を提示した。
首都圏は1月31日時点で、1人から何人に感染が拡大するかを表す実効再生産数(Rt)は0.45まで下がり「極めて低いリスク」水準に到達。医療設備使用率は38%と「低リスク」水準となった。1週間の平均新規感染者数の増加率はマイナス62%と順調に減少し、1日の新規感染者数は1477人と2千人を切った。
一方、1月31日時点の10万人当たりの平均新規感染者数(ADAR)は19.58、検査陽性率は17%となお「高リスク」にある。
ダビッド氏は首都圏が「低リスク」に置かれる条件として「検査陽性率10%未満、ADARが10未満、医療設備使用率が更に下がった場合」と指摘した。
同氏は首都圏の防疫警戒レベル2への引き下げについて、首都圏が「低リスク地域になった後」と主張していた。しかし政府がその前に引き下げを決定。これについて同氏は「わずか1〜2週間緩和を遅らせるかどうかの違いだった」とし、政府の決定を尊重するとの見解を示した。(竹下友章)