比世帯の45%が貧困 若干の改善も低所得層より困窮 SWS調査
SWSの第4四半期調査で、比世帯の45%が貧困と回答。貧困ギャップは千ペソ拡大
民間調査会社ソーシャルウエザーステーション(SWS)が27日に発表した、貧困に関する第3四半期の世論調査結果によると、比世帯の45%が自らの家庭を「貧困」、34%が「貧困のボーダーラインにいる」と考えていることが明らかになった。自らを貧困と感じている世帯率は前回の第2四半期より3ポイント減少したが、貧困世帯の所得(中央値)は第2四半期比で千ペソ減少し、8千ペソまで下がった。
貧困と感じている世帯の地方別の割合は、ビサヤ地方で第2四半期の70%から54%へと大幅に改善された。首都圏でも同43%から34%に改善。首都圏を除くルソン地方では前期と同じ38%、ミンダナオ地方は前期の51%から58%に悪化した。一方、貧困のボーダーラインにあると感じている世帯は全地方で上昇した。
各世帯にとっての生活に必要な最低限の家計収入を表す「貧困線」は、全国の中央値が月1万5000ペソと前期と同水準。最低賃金でフルタイム労働した賃金よりやや高い金額となっている。
地域別の貧困線は首都圏2万ペソ、首都圏を除くルソン地方とビサヤ地方では1万5000ペソに対し、ミンダナオ地方は1万ペソ。首都圏とミンダナオ地方では2倍の所得格差が表れた。
また、貧困世帯の実際の収入が、生活に必要な収入(貧困線)とどれだけかい離しているかを表す「貧困ギャップ」は、7千ペソ(中央値)となり、前期から千ペソも拡大した。
▽エンゲル係数53%
1カ月に必要な食費(全国中央値)は8千ペソで、食費にも事欠く世帯の割合は30%となった。その世帯における実際の食費と必要な食費の差は4千ペソで、前回から千ペソ悪化した。貧困層の多くは必要な食費の半分を得られていないことになる。
SWSの調査結果を元にすると、比の貧困線上で生活する世帯のエンゲル係数(所得に占める食費の割合)は53%に達する。エンゲル係数は貧しいほど高くなるが、日本の相対的貧困層の約30%と比べると、比における貧困の深刻さの一端が読み取れる。
調査は9月12〜16日、18歳以上の1200人を対象に対面で実施された。(竹下友章)