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11月2日のまにら新聞から

NPA全国司令官が死亡 ブキドノン州で国軍と交戦

[ 1027字|2021.11.2|社会 (society) ]

ブキドノン州で国軍とNPAが交戦、NPA司令官ら2人が死亡

 ミンダナオ地方ブキドノン州インパスグオン町で10月30日午前11時半ごろ、国軍と共産党の軍事部門、新人民軍(NPA)との間で戦闘があり、NPAの全国作戦司令部司令官のジョージ・マドロス容疑者を含むNPA構成員2人が死亡した。交戦は戦闘機による空爆も加わった激しいもので、約30分にわたったという。

 陸軍第4歩兵師団によると、同町ドゥマラギンの山間部で「約30人のNPAが共産主義の教義を広めている」との情報があり、部隊を現地に派遣した。NPA布陣の前面が「対人地雷で固められていた」ことから空爆に及んだと説明している。

 マドロス容疑者と別のNPA構成員の両遺体は作戦後の捜索中に発見。現場からはM14ライフル1丁、KG9ライフルの他、弾薬、所持品などが回収されたという。

 フィリピン共産党の統一戦線組織「民族民主戦線」(NDF)ミンダナオ方面の報道官も務めていたマドロス容疑者の死を受け、国軍は「ミンダナオ地方のNPAには大きな打撃となるだろう。彼は何十年にもわたって兵士や民間人の死に直接・間接的に責任を負っていた人物」との声明を発表した。国軍によると、同容疑者は2件の殺人と2件の殺人未遂、強盗、器物破損などの容疑で指名手配されてきた。

 エレアザール国家警察長官は31日、全国の警察署に対し、マドロス容疑者殺害への報復攻撃もあり得るとして警戒を呼び掛けた。その上で国軍との協力を継続して「地域における共産主義の脅威から市民を守る」と強調。「他のNPA構成員が、暴力での問題解決を放棄することを望む」とも述べた。

▽NDFは交戦否定

 一方、NDFの北部ミンダナオ支部のマリア・マラヤ報道官は、マドロス氏の死を確認したが、国軍との交戦ではなく、山間部から衛生担当の女性とオートバイで移動中、国道に差し掛かる手前で待ち伏せをしていた国軍部隊によって殺害されたとの声明を発表した。

 さらに2人が武器を携帯しておらず、付近で「空爆を含む交戦が行われた事実もなく、国軍は嘘をついている」とも指摘した。

 同支部は、ドゥテルテ大統領に対し、かつて国軍との交戦で死亡したレオンシオ・ピタオ前司令官と同様に、葬儀の実施を認めるよう要望している。

 2015年7月、ダバオ市のドゥテルテ市長=当時、現大統領=は市内で故ピタオ司令官の葬儀を執り行うことを認め、約1万人の支持者が参列した。ドゥテルテ市長自らも弔辞を送っていた。(岡田薫)

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