来月には感染1126人に 年末の警戒レベル1を予測
保健省は首都圏の1日当たりコロナ新規感染者数が「1126人前後になる」と予測
保健省は16日、9月には6千人を超えていた首都圏の新型コロナ新規感染者数が「11月までに平均1126人前後に落ち着く」との予測を発表した。また、フィリピン大などの独立研究グループ「OCTAリサーチ」は17日、首都圏で敷かれている新防疫制度「警戒レベル制」(5段階)を、現行のレベル3から12月には1〜2へ引き下げることが「可能」との見通しを示した。
18日の英字紙スタンダード電子版などによると、OCTAのギド・ダビド研究員は同日、首都圏の17日時点の新規感染者が1159人と7月28日以来最も少ない数字になったことを発表。過去1週間の平均は1448人で、1人の感染者が何人に感染させるかを表す実効再生産数(Rt)は0・57に減少した。
一方、ベルヘイレ保健次官は16日の会見で、「次の感染急増は首都圏外で起こる恐れがある」との世界保健機関(WHO)の警告を紹介。「今後は首都圏への感染流入を防止するため、近隣の中部ルソン、カラバルソン両地域での接種を加速し、首都圏に追いつかせたい」とした。
首都圏評議会(MMC)議長を務めるパラニャーケ市のオリバレス市長は12日、首都圏では接種対象人口の80%が接種を終えたと発表しており、政府は接種プログラムの重点を地方に移す段階に入っている。
▽医師団体は懸念も
比内科医協会(PCP)のリンピン会長は、ラジオ番組で「これまでの経験から、規制が緩和されると人々は防疫規則に従わなくなる」との懸念を表明。「医療従事者の感染で病院では人手不足が続いている」とした上で、英米から比看護師の求人が急増しており「人手不足に拍車がかかるだろう」と訴えた。(竹下友章)