覚せい剤 今年最大500キロ押収 おとり捜査で中国人4人殺害
PDEAがサンバレス州で覚せい剤約500キロ(34億ペソ相当)を押収
大統領府麻薬取締局(PDEA)と国家警察は7日、サンバレス州のリゾートで国軍、関税庁と合同で麻薬取り締まりのおとり捜査を行い、覚せい剤約500キロ(34億ペソ相当)と銃4丁を押収し、逃亡しようとしたシュー・ユーハ容疑者(50)ら中国人4人を射殺したと発表した。1回の捜査で押収された覚せい剤としては今年最大の量。国営PNA通信などが報じた。
エレアザール国家警察長官とビリャヌエバPDEA局長によると、殺害された4人は首都圏や中部ルソン、カラバルソン両地域で活動する麻薬シンジケートのメンバーで、うち3人は中国福建省出身。麻薬取締官がグループから覚せい剤1キロを購入する交渉をした結果、7日午前11時半ごろ、カンデラリア町で摘発した。押収された覚せい剤は、船で比領海内に密輸され、小型船で海上から回収され、グループに引き渡されたもの。覚せい剤を運んだ船の追跡のために国家警察のヘリコプターや高速艇も配備した。
2020年にブラカン州マリラオ町での捜査で約800キロの覚せい剤(50億ペソ相当)が押収されており、今回の摘発はその事件関係者を追った成果という。
ドゥテルテ大統領は8日朝、テレビ放映された国民向け演説で、麻薬取締当局を称賛する一方、4人の殺害について「私たちは望んでいないが、銃で武装しており、殺害する以外に選択肢はなかった。麻薬取締官は自分たちの仕事を遂行しただけだ」と述べた。
また、7日午後にはバタアン州ヘルモサ町の検問所で覚せい剤80キロ(5億4400万ペソ相当)が押収され、中国人3人=福建省出身、マニラ市ビノンド在住=が逮捕された。(谷啓之)