首都圏とラグナ州 きょうMECQ バタアン州も23日から緩和
首都圏とラグナ州の防疫地域区分が21日から1段階緩いMECQに緩和
ドゥテルテ大統領は19日夜、新型コロナ対策の省庁間タスクフォース(IATF)の勧告を承認し、防疫強化地域(ECQ)指定の期限が20日で切れる首都圏とラグナ州を21日から1段階緩めて修正防疫強化地域(MECQ)とすることを決めた。22日までECQに指定されているバタアン州も23日から月末までMECQに緩和される。ロケ大統領報道官が明らかにした。
同報道官は、今回の防疫区分変更について「(バランガイ単位など)きめ細かなロックダウン(防疫封鎖)の厳格な実施を妨げるものではない」と述べ、21日以降も(1)食堂などの店内・屋外の飲食サービス、美容室、理髪店、ネイルスパなどのパーソナルケアサービスは引き続き許可されない(2)宗教の集まりはオンラインに限られる──と説明した。
今年4月に実施された首都圏などのMECQでは、食堂などの屋外飲食が、アクリル製の仕切りがあり、斜めに座っていれば、座席定員の50%で認められ、宗教の集まりも会場定員の10%の参加が可能だった。
首都圏17首長から成る首都圏評議会のオリバレス議長(パラニャーケ市長)は19日、午後8時〜午前4時の夜間外出禁止について21日以降も継続されると表明。外出や移動時に必要とされてきた防疫パス(外出許可証)の発行・義務付けについては、21日以降は「実施せず、防疫パスは不要になる」とする一方、酒類販売を禁止するかどうかは「各自治体の判断に委ねられる」と述べた。
また、首都圏開発庁のアバロス長官によると、これまで禁止されていた屋外での運動が午前6〜9時までの3時間に限って認められる。
その他の具体的な規制の変更については明らかになっていない。
ロケ大統領報道官や同議長ら関係者の発言によると、19日午後に行われたIATFの会議では「コロナ感染者数が減らず、死者数も増えているため、ECQを維持すべきだ」という意見と、「ECQはもはや機能しておらず、新たな戦術が必要だ」としてMECQへの緩和を主張する意見が拮抗(きっこう)。ECQの延長か、MECQへの移行か、無記名の投票が行われた結果、小差で緩和が決まった。投票で接戦になったのは初めてという。
21日以降のMECQ指定地域は次の通り(バタアン州は22日まではECQ)。
ルソン地方=首都圏▽コルディリエラ行政区アパヤオ州▽イロコス地域北イロコス州▽中部ルソン地域バタアン、ブラカン両州▽カラバルソン地域カビテ、ラグナ、リサールの3州とルセナ市(ケソン州)◇ビサヤ地方=西部ビサヤ地域アクラン、イロイロ両州とイロイロ市▽中部ビサヤ地域セブ、ラプラプ、マンダウエの3市(いずれもセブ州)◇ミンダナオ地方=北部ミンダナオ地域カガヤンデオロ市(東ミサミス州)(谷啓之)