首都圏の防疫措置を強化 デルタ株抑え込みで
首都圏は8月6日から20日まで一番厳しい防疫措置「防疫強化地域(ECQ)」に
ロケ大統領報道官は30日午前、国営PTVテレビに出演し、デルタ株によるコロナ感染拡大を抑え込むため、首都圏を8月6日から20日まで一番厳しい防疫区分である「防疫強化地域(ECQ)」に引き上げると発表した。新型感染症省庁間タスクフォース(IATF)が首都圏の防疫措置を強化するよう勧告し、ドゥテルテ大統領が承認した。
8月1日以降の新防疫区分については、大統領が28日の国民向けテレビ演説で、首都圏を8月1〜15日まで「制限強化の一般防疫地域(GCQ)」に置くと発表したばかりだった。しかし、フィリピン大などの独立研究グループ「ОCTAリサーチ」は、このままでは全国の新規感染者が8月末には1日9100〜1万3000人になると推計、修正防疫強化地域(МECQ)以上の「強力な防疫措置が必要」と主張していた。
保健省も29日、国内のデルタ株感染者数が累計で216人になったと発表していた。ロケ報道官は30日のテレビ記者会見で「ECQは厳しいことは分かっているが、デルタ株感染が急増した場合、病室を確保するためにもこの措置が必要だ」と理解を求めた。
29日付IATF決議によると、首都圏ではECQが始まる前の8月1日から制限が強化され、飲食店などでの飲食は店外飲食も含めて禁止となり、テイクアウトやデリバリーでの注文のみとなる。美容室や理容室、ネイルスパなどのパーソナルケア業種も1日から定員数の30%までの稼働に制限され、屋外の観光地も30%までしか観光客を受け入れることができない。
首都圏とカビテ州を含む近隣4州の間の移動も、エッセンシャルワーカーなど外出許可を得た者だけが認められる。宗教的な集まりで認められるのはオンラインでの集会だけになり、コロナ感染以外の疾病や事故による死者の葬儀ミサや埋葬式などの集まりは家族に限られるとしている。
一方、セブ市とセブ州も感染が拡大しているとして修正防疫強化地域(МECQ)に引き上げると発表した。8月1日から15日までの措置。また、前回の大統領発表通り、イロイロ市とイロイロ州、カガヤンデオロ市とギンゴオグ市の3市1州は8月1〜7日まで首都圏と同様のECQに指定。さらに、北イロコス州とバタアン州、セブ州のマンダウエ市とラプラプ市もМECQに置くとした。これら以外の州や市は「制限強化のGCQ」かそれ以下の防疫区分になった。(澤田公伸)