ロシア製320ペソ、シノバック700ペソ 対策総額は6609億ペソ
比政府が調達している新型コロナワクチン3種類の1回当たりの価格判明
比政府が調達している新型コロナワクチン3種類の1回当たりの価格について、中国の科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)製が約700ペソ、ロシア国立ガマレヤ研究所のスプートニクVが約320ペソ、米国モデルナ製が約1320ペソとみられることが分かった。
比政府は中国のシノバック、ロシア国立ガマレヤ研究所、米製薬会社モデルナの3者と供給契約を結んでいる。
CNNフィリピン電子版などによると、15日の新型コロナ予防接種計画に関する上院委員会で、ドミンゲス財務相がドリロン野党院内総務からワクチンの種類別価格差について質問され、「1回当たり6・75ドル(約320ペソ)から27・59ドル(約1320ペソ)。平均で568ペソで、ほかに運搬・冷蔵などの費用が48ペソ」と説明。新型感染症全国タスクフォース(NTF)ワクチン担当のガルベス大統領補佐官はシノバック製については1回分700ペソ程度だと明かした。
同補佐官は「供給者と秘密保持契約が結ばれているため、正確な金額を明かすことはできない」と述べているものの、ドミンゲス氏の発言や、欧米の報道と重ねると、モデルナ製が27・59ドル程度、スプートニクVが6・75ドル程度とみられる。
▽接種回数まだ694万回
ドミンゲス氏によると、ワクチン接種計画では外国からの融資も合わせて886億ペソの予算が確保され、成人7千万人分のワクチン1億4800万回分以上を購入、世界保健機関(WHO)の共同調達枠組み「COVAX」を通じた寄付も含めて、今年中に最大2億400万回分の接種が可能としている。
ただし、国営通信PNAによると、国内でこれまでに接種されたワクチンはまだ694万8千回分にとどまっているという。
一方、16日付英字紙マニラタイムズによると、アビサド予算管理相は15日の上院委員会で政府がコロナ対策のために各省などに配った資金は、今後の予防接種展開も含めて6605億1千万ペソであることを明らかにした。うち3871億7千万ペソは新型コロナ対策のバヤニハン法第1弾、2001億2千万ペソ超は同法第2弾からの支出で、残り732億1千万ペソが通常の政府予算からの支出と説明した。(谷啓之)