接種違法仲介が横行か 首長らが対策協議へ
ワクチン接種を手配するとフェイスブックなどで勧誘。違法仲介か
パラニャーケ市のオリバレス市長は23日、首都圏の一部自治体でインターネット交流サイト(SNS)などを通じて新型コロナワクチンの接種機会を有料で違法仲介する個人の存在が浮上しているとして、近く首都圏首長評議会(ММC)で対応を協議することを明らかにした。
コロナワクチンは政府が調達して医療従事者や高齢者など優先グループに従って国民に無料で接種しているが、「自治体の関係者」などと名乗る人物がワクチン接種を1万〜1万5千ペソで行うと呼び掛けているとの情報が多数寄せられており、国家警察も捜査を開始していた。
24日付英字紙スターによると、コロナワクチンの売買については、まずマンダルーヨン市のアバロス市長やサンフアン市のザモラ市長が先週、「ワクチン詐欺が発生している」として、住民らに注意喚起するとともに、遭遇した場合は自治体への通報を呼びかけていた。
比食品医薬品局(FDA)はワクチンの販売、広告・商用の流通などの行為を認めておらず、ワクチンの売買は違法行為としている。
エレアザール国家警察長官は24日、高校時代の友人たちに、ワクチン接種機会を製薬会社別に2回1万2千ペソから1万5500ペソで販売すると持ちかけた比人男性を特定し、本人のフェイスブックアカウントを閉鎖したことを明らかにした。今後、捜査を続けて逮捕するとしている。
この人物はマンダルーヨンとサンフアン両市当局に関係者がいると顧客らに伝えており、過去の取引において顧客から入手した銀行口座の入金票(デポジット・スリップ)の画像も売買証明として掲示していたという。
また、モレノ・マニラ市長は24日、マニラ市内でワクチンを販売することを禁止する市条例を発令した。首都圏でワクチン販売を禁止する条例が出たのはマニラ市が初めて。条例によると、違反者には5千ペソの罰金と6カ月以下の禁錮刑が科される。(澤田公伸)