接種者に入国特別枠を 観光省が勧告 専門家も支持
ワクチンを接種した外国人旅行者の入国を特別に認めるよう観光省が勧告
プヤット観光相は21日、コロナ禍で壊滅的な打撃を受けている国内観光業を復活させるため、コロナワクチンを接種済みの外国人観光客については、隔離義務などの条件なしで入国を認めるグリーンレーン(特別枠)を設けることを政府に勧告したことを明らかにした。ワクチン接種証明の真偽確認など、課題も指摘されているが、外国人観光客受け入れ再開は比経済の柱の一つである観光業の復活につながる政策で、今後の政府の対応が注目される。22日付英字紙ビジネスワールドが報じた。
観光相は「この方策によって安全な状況で観光業を徐々に再開させることができる」と自信を示している。観光省として、ワクチン接種した外国人の入国手続きの詳細については現在、研究中としている。また、出入国管理庁も最近「今後、数か月の間に国際便の再開がさらに進むだろう」と表明しており、観光省と連携して外国人観光客の受け入れ再開を目指す姿勢を見せている。
23日付英字紙スターによると、観光省の勧告について、フィリピン大などの研究者グループ「ОCTAリサーチ」のニカノール・アウストリアコ研究員は21日、「旅行者がワクチン接種したことを確認できる検証システムを確立する必要がある」とした上で、米国でワクチン接種を完了した比人永住者らが比の家族を訪問したくても現在の隔離期間設定なのが障害となって訪問できない人が多いとして「グリーンレーン設置構想は大いに支持する」と述べている。
同研究員は、世界各地でデジタル化されたワクチンパスポートの導入が検討されているが、このような機能を政府のワクチン接種証明の認証システムにも組み込むべきだとしている。同研究員はまた「特にファイザーとモデルナが開発したワクチンを接種した人はウイルスを持ち込むリスクも極めて少ない」とも述べている。
現在、外国人観光客のフィリピンへの入国は基本的に認められておらず、商用や比人の配偶者などで入国が認められている外国人に対しては入国後のPCR検査や14日間の隔離期間などが義務付けられている。また、インドで最初に見つかったコロナ変異種対策としてインド、パキスタン、オマーンなど7カ国からの渡航者の入国も一時的に禁じるなど渡航制限が続いている。(澤田公伸)