在比邦人にもワクチン接種を 商工会、日本人会が大使館に要望書
フィリピン日本人商工会議所とマニラ日本人会は連名で在比日本大使館に対し、在比邦人にも比でワクチン接種の機会を与えることを求める要望書を提出した
フィリピン日本人商工会議所とマニラ日本人会はこのほど連名で在比日本大使館に対し、邦人にも比で新型コロナワクチン接種の機会を与えることを求める要望書を提出した。
7日付で送付された要望書は在比邦人が比でワクチン接種を早急に受けられる可能性が低いことから「日本政府が調達したワクチンを比で接種できるよう」求めている。
日本メディアの報道によると、日本政府は在外邦人へのワクチン接種について、一時帰国してもらい、空港近くの施設で接種してもらうことを検討している。
しかし、同商工会議所の藤井伸夫副会頭は「比と日本を往復することが現状、いかに大変かを分かっていない。往復の検疫にかかる時間を考えると、日本で接種するというのは現実的でない」と指摘。比で接種を受けられる機会が与えられるべきだとしている。
これに対し、日本大使館は「在比日本人コミュニティーの切実な要望であることは十分理解し、外務省にも要望内容は既に伝えている」とした上で、「日本国内におけるワクチン接種もまだ十分に進んでいないという状況もあり、要望を実現させるには課題もある」と話している。
ロケ大統領報道官は在比外国人に対するワクチン接種について、当初「民間で対応してもらう」と述べていたが、2月22日の会見では「比にいるすべての人を対象にしたい」と外国人も接種対象とする考えを示した。
しかし、比での接種は最優先の医療従事者への接種がようやく終わり、優先順位2番目の高齢者への接種が始まったばかりで、接種を受けた人数は人口の1%の110万人にとどまっている。バランガイ(最小行政区)ごとに外国人への対応にばらつきがあるともみられるが、首都圏パラニャーケ市在住で比人の夫を持つ邦人女性は「バランガイでの接種対象者登録だけは既に済ませた」と話している。(石山永一郎)