防疫区分を1段階緩和 4月末までMECQに
首都圏と近郊4州を、30日まで修正防疫強化地域(MECQ)へと緩和
ロケ大統領報道官は11日、首都圏と近郊4州の防疫区分を防疫強化地域(ECQ)から修正防疫強化地域(MECQ)へと1段階緩和すると発表した。期間は4月12〜30日。外出禁止時間もこれまでの午後6時〜午前5時が午後8時〜午前5時に短縮される。このほか、MECQで新たに認められる活動の詳細は発表されていない。
これでECQに置かれる州や市はなくなり、MECQに置かれるのは首都圏とブラカン、リサール、ラグナ、カビテの4州に加え、アブラ州、サンチャゴ市(イサベラ州)、キリノ州の計8カ所となった。
MECQからさらに1段階緩い一般防疫地域(GCQ)に置かれるのはカガヤン、イサベラ、ヌエバビスカヤ、ケソン、バタンガス、南ラナオの各州、タクロバン市(レイテ州)、イリガン市(北ラナオ州)、ダバオ市、コルディリエラ行政区。それ以外の地域は最も緩い修正一般防疫地域(MGCQ)となる。
医療や統計の専門家の間では、首都圏などのECQはさらに延長すべきとの声が強かったが、経済的損失を懸念する財界の訴えもあり、政府は1段階の緩和に踏み切ったとみられる。
11日英字紙インクワイアラーによると、フィリピン大などの専門家グループ「OCTAリサーチ」は10日、感染押さえ込みについて「希望はECQ延長にある」とし、首都圏などについては最低1週間の延長を求めていた。
1人の感染者から何人に広がるかを示す「実効再生産数」(R0)は、ECQが始まった3月29日以前には首都圏1・88だったが、2週間で1・23にまで改善。しかし、新規感染者数が減少に転じる1を割り込むまでは、厳格な防疫措置が必要と訴えていた。(岡田薫)