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4月1日のまにら新聞から

イベルメクチンに期待広がる 国内製造2社名乗り 下院「使用を」

[ 664字|2021.4.1|社会 (society) ]

日本の北里大が開発した抗寄生虫薬イベルメクチンについて、複数の議員が医薬品治験を食品医薬品局に要請した

日本ではマルホ社が「ストロメクトール」の商品名で販売しているイベルメクチン=同社ホームページから

 日本が開発し、新型コロナの致死率などを下げるとの研究結果が出ている抗寄生虫薬イベルメクチンについて、アロヨ政権下で環境天然資源相を務めたマイク・ディフェンサー下院議員(アナクカルスガン党、政党リスト制選出)ら複数の議員は、3月30日の下院保健委員会で「医薬品として使用できるよう治験などを進めるべきだ」と食品医薬品局(FDA)に要請した。

 比国内での製造を名乗り出た製薬会社もあり、日本発の「新型コロナ治療・予防薬」への期待がフィリピンでも高まっている。

 イベルメクチンは比でも動物用の抗寄生虫薬として承認、流通しており、FDAのドミンゴ局長は3月29日、重症患者の要望などがあった場合「医師による人道的使用は認める」とし、医薬品として申請があれば、承認審査も行う考えを明らかにしていた。

 31日のCNNフィリピン電子版によると、これに対し、自身も新型コロナに感染し、療養中にイベルメクチンを服用したディフェンサー議員は「私の症状は改善したし、服用した他の患者にも明らかに効果があった」と証言。FDAに対し、承認申請を待つだけでなく、積極的にイベルメクチンの研究を進めるよう求めた。

 31日付英字紙スターによると、比の製薬会社ロイド・ラボラトリー(ケソン市)、パスクワル・ラボラトリー(同)の2社の代表は30日にFDAと会合を持ち、新型コロナ治療薬として比国内生産を行うため、申請を行う意思を伝えた。

 また、FDAもイベルメクチンの使用について、近くFDAを管轄する保健省と会議を行うという。(石山永一郎)

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