新防疫区分を発表 首都圏ECQは延長か
キリノ州とサンチャゴ市がMECQに。首都圏などはECQ延長か
ドゥテルテ大統領は29日夜の国民向けテレビ演説で、4月1日からのコロナ対策に関する新防疫区分を発表した。それによると、カガヤンバレー地域のキリノ州とサンチャゴ市(イサベラ州)を修正防疫強化地域(MECQ)に置くこととした。MECQは4段階の防疫区分のうち2番目に厳しい区分で、指定の期限はキリノ州が4月15日まで、サンチャゴ市が4月30日まで。
また、大統領によると、4月末まで一般防疫地域(GCQ)に指定されるのは、コルディリエラ行政区全域をはじめ、カガヤンバレー地域のカガヤン、ヌエバビスカヤ、イサベラ(サンチャゴ市を除く)の3州、カラバルソン地域バタンガス州、東ビサヤ地域タクロバン市、ミンダナオ地方のダバオ市、イリガン市と南ラナオ州。
聖週間の4月4日まで1週間、一番厳しい防疫強化地域(ECQ)に指定されている首都圏とブラカン、カビテ、ラグナ、リサールの近隣4州を除く、その他の地域は4月末まで、一番規制が緩い修正一般防疫地域(MGCQ)になる。
▽保健省が延長推奨
大統領は演説でECQ指定されている首都圏と近隣4州に触れたが、5日以降についての方針は明確にしなかった。
一方、ベルヘイレ保健次官は29日のテレビインタビューで、新型感染症省庁間タスクフォース(IATF)に首都圏などのECQをさらに1週間延長するよう推奨したことを明らかにした。
同次官は「防疫強化措置による感染者や病床利用率への影響を確認するため、ECQは少なくとも2週間とするのが理想的だ」と説明している。
5日以降の対応については、ドゥケ保健相が29日のラジオで、3日に感染状況などのデータを評価した上で、ECQを延長するかどうか決めることを明らかにした。
国内の新規感染者数は29日に過去最多の1万16人を記録、病院などのコロナ病床や隔離施設の利用率も上昇している。このため、医療専門家からは「1週間のECQでは不十分。さらに延長すべきだ」との意見が根強い。3日までに感染動向に大きな変化が見られない限り、首都圏と近隣4州のECQが1週間以上延長される可能性が高くなった。(谷啓之)