初の1日8千人超え 新規感染止まらず新たな規制
比の新規感染初の8千人超え、政府新規制も首都圏のコロナ病棟満床の病院増加
保健省によると、22日の新型コロナの新規感染者は8019人となり、過去最高を更新、初めて8千人を突破した。死者は4人増の1万2972人となった。感染検査数に対する陽性率は14・9%と高止まり傾向が続いている。
政府は首都圏などで22日からレストランの店内飲食を再び禁止とするなど、実質的には修正防疫強化地域(MECQ)に近いレベルまで規制を強化しているが、感染拡大は収束の気配を見せていない。
感染の最大「震源地」となっているのは首都圏とその周辺地域で、21日に政府はカビテ、ラグナ、ブラカン、リサールの4州を首都圏と一体化させて防疫区分をすべて一般防疫地域(GCQ)とした。
22日付英字紙マニラブレティンによると、新型コロナ対策の省庁間タスクフォース(IATF)元顧問で医師のトニー・レアチョン氏は、感染者が首都圏、カラバルソン、中部ルソンの3地域で全体の8割を占めており「この3地域の防疫区分は防疫強化地域(ECQ)またはMECQとすべきだ」と進言している。
首都圏各地の病院では、新型コロナ専用病棟が満床または満床寸前になる例が相次いでいる。感染拡大が今後も続いた場合、重症患者も行き場を失うなど首都圏のコロナ医療は崩壊する恐れも出ている。
フィリピン政府は全国の病院に対し、全病棟の3割をコロナ専用病棟とすることを義務付けており、全国平均のコロナ病棟の病床使用率は相部屋で38%、個室で41%、集中治療室で53%とまだ余裕がある。しかし、同紙によると、首都圏では既にマカティ・メディカル・センター(マカティ市)、中国総合病院(マニラ市)、FYマナロ医療基金病院(ケソン市)、退役軍人記念メディカルセンター(同)、ユニヘルスパラニャーケ病院(パラニャーケ市)など10病院のコロナ病棟が満床となっている。
国立のフィリピン総合病院(マニラ市)など病床使用率が90%前後に達している病院も多いという。(石山永一郎)