フィリピン型変異種確認 すでに98人感染
保健省がフィリピン型変異種が確認されたと発表、すでに98人が感染
フィリピン保健省は13日、声明を発表し、フィリピンに特有の変異種の発生が確認されたことを明らかにした。フィリピン・ゲノム・センターが送った検体情報を新型コロナウイルスに関する世界共通の系統分類を行う機関、PANGOLINが分析を行った結果、「P・3」と呼ばれる新規変異種だと判定されたという。ブラジル型変異種に似た特徴を持っているとされるが、同省は「(感染力の強さを含め)公衆衛生に深刻な影響を与えるかどうかはデータが少なくまだ分かっていない」としている。
同省によると、この変異種への感染例がすでに98件に達している。また、同変異種への感染は中部ビサヤ地域で多いとの報道もある。
日本の厚生労働省も12日、フィリピンから成田空港に到着した60代男性がこの変異種に感染していたとも発表していた。
14日付英字紙インクワイアラーによると、保健省疫学局のデグスマン局長は13日の記者会見で「問題の変異種により伝播性の増加や抗原性の変化などが懸念されるのか否かを確認した上で、世界保健機関が『懸念される変異株』(VOC)かどうかを判断する。まだデータが少なく評価段階だ」と述べ、英国型やブラジル型などと同様な変異種であると宣言することは時期尚早としている。
保健省は13日に新規感染者数として昨年9月以降で最高となる5000人を記録したと発表、うち100人については、今回のフィリピン型や初めて国内で見つかったブラジル型変異種など新型コロナウイルスの変異種感染例だとしている。(澤田公伸)