首都圏もMGCQへ弾み 首長会議が1票差で承認
首都圏評議会は首都圏が3月から一修正一般防疫地域に移行することを承認
マニラ首都圏評議会(MMC)は17日夜の会合で、新型コロナウイルス対策の一般防疫地域(GCQ)に指定されている首都圏が3月から一番規制の緩い修正一般防疫地域(MGCQ)に移行することを承認した。ナボタス市のティアンコ市長が18日、DZBBラジオで明らかにした。
国家経済開発庁(NEDA)のカール・チュア長官代行ら新型感染症対策省庁間タスクフォース(IATF)の経済チームが、3月から首都圏も含め、国全体をMGCQに変更することをドゥテルテ大統領に提案。大統領は来週にも判断を示すとみられている。影響力が大きい首都圏首長の賛成が得られたことで、防疫区分指定の緩和への動きに弾みがつきそうだ。
ティアンコ市長によると、首長17人が投票した結果、MGCQへの移行に賛成が9票、GCQ維持の支持が8票で、IATF経済チームの提案を1票差で承認した。区分指定緩和の実施について、同市長は「IATFの勧告に基づき、最終決定権を持つドゥテルテ大統領が決めることだ」と述べた。
全国州知事会(LPP)会長のベラスコ・マリンドゥケ州知事も17日、「経済を再開するために、MGCQに移行するのはOKだ」と述べ、全国をMGCQに指定する提案に賛成の意向を明らかにした。
ただし、同知事は「コロナ感染者が増加した場合、自治体が防疫封鎖を宣言したり、検疫措置を強化したりする権限が認められなければならない」とくぎを刺した。
一方で、独立した科学者グループ「OCTAリサーチ」は最新の報告書で、首都圏がMGCQに緩和された場合、首都圏のコロナ感染者数は3月26日までに1日あたり2400人に達する可能性があると警告している。
GCQでは商業施設、職場、交通機関でマスクとフェイスシールドの着用が義務付けられているが、MGCQではフェイスシールドの着用は不要。また、MGCQでは大学の対面授業が認められ、会場の定員50%での集会が可能になるなど、各種ビジネスの営業や操業の規制、外出制限もGCQに比べて大幅に緩和される。(谷啓之)