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2月17日のまにら新聞から

3指標 なお基準上回る 感染減少まで「もう少し辛抱を」

[ 877字|2021.2.17|社会 (society) ]

新型コロナ感染状況について専門家「まだ減少傾向と言えない」と強調

 新型コロナウイルスの感染状況を分析しているフィリピン大を中心とした専門家の研究チーム「OCTAリサーチ」広報担当のランジット・ライ研究員は16日、まにら新聞のインタビューに答え、1人の感染者が他の人にうつす実効再生産数や検査の陽性率が感染減少傾向とみなせる基準よりまだわずかに高いと指摘した。ライ研究員は首都圏の防疫区分の緩和について「あと一歩ながら、時期尚早」とした。

 ライ研究員によると、比全国の16日時点の実効再生産数は1・1、首都圏は1・05。昨年12月13日時点の全国1・03、首都圏1・15と比べると全国では上がり、首都圏は下がっている。しかし、実効再生産数が1を上回っている限り「感染拡大は続いているとみなさざるを得ない」とした。

 地域的にはセブ市の状況が最悪で、実効再生産数は「2に近づいており、観光客の受け入れ再開を考えるような状況ではない」と断言した。

 16日の新型コロナの死者数は7人で3日連続で1桁台にとどまり、新規感染者も1391人と3桁に近づきつつある。しかし、ライ研究員は「保健省が毎日発表する死者数や新規感染者数は、地方の集計が届かない日があったり、休日は検査数が少ないため新規感染者数も少なくなるなど実態を反映していない時もある」とし、この数字を見て「一喜一憂すべきではない」とした。

 OCTAが最も重視しているのは(1)実効再生産数(2)検査での陽性率(3)新型コロナ病床使用率の3指標だとし「実効再生産数が1未満となり、陽性率が5%、病床使用率が50%を割った時に、初めて感染が減少傾向に至ったといえる」と述べた。

 保健省によると、16日時点の比の検査数に対する陽性率は5・3%、病床使用率は77%。陽性率は5%未満まであと一歩だが、病床使用率(相部屋)はOCTAの基準よりまだかなり上回っている。

 ライ研究員は「防疫規制によって多くの人が職を失い、苦境にあることは十分理解しているが、防疫緩和後に感染が急拡大するというのが最悪のシナリオ。もう少しだけ辛抱が必要だ」と述べた。(石山永一郎)

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