最高裁の審理を迅速に テロ防止法差し止め
ドゥテルテ大統領が昨年7月3日に署名、同月18日に発効したテロ防止法(共和国法11479号)に対して、少なくとも38の個人と団体が最高裁に訴えを起こしている。
すべての訴えが、テロ防止法を違憲とし、その多くが最高裁にその一部または全部について、法執行の差し止めを求めている。
最高裁は全ての訴えを併合して、大法廷で審理を行うと決定。2月2日にやっと、初めての審理が開かれる。
これに伴い訟務長官室(OSG)は、最高裁に対して、全ての訴えを却下するとともに、新型コロナウイルス感染症の流行を理由に口頭弁論を中止するよう求めた。
一方、申立人の一つ、フィリピン統合弁護士会(IBP)は、OSGのカリダ訟務長官が職員のコロナ感染を理由に1月19日に予定されていた口頭弁論の延期を求めて認められたのに対して、口頭弁論をすぐに始めるよう要求した。最高裁のアリチェタ書記官も、さらなる延期は認められないと、くぎを刺している。
IBPのカボサ会長が、テロ防止法について基本的人権を侵害し、批判する人間をテロリストとして決めつけるものだとして、「国民すべてに関わる重大事であり、集中して迅速に審議すべきだ」と求めていることは当然だ。
同会長はテロ防止法を容認すれば、現ドゥテルテ政権ばかりではなく、将来どのような政権、高官、法執行官が出てくるかもわからず、悪用を許す危険性があり、全国レベルだけではなく、地方でも起こりうることだと警告した。
2月2日はテロ防止法をめぐり、この国のトップクラスの法律家らが激突する日となる。
注意深く見届けるようにしたい。(28日・マラヤ)