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4月12日のまにら新聞から

「英雄」への嫌がらせに罰を 医療従事者差別

[ 618字|2020.4.12|社会 (society)|新聞論調 ]

 新型コロナウイルスが猛威を振るう中、第一線で治療などに活躍している「英雄」に向けて、フィリピン観光省は激励のメッセージ動画を作った。

 フランシス・ローマ法王は、最も悲しいパームサンデー(枝の主日)となった5日、信徒に向けた説教で、「人類の暗黒期における本物の英雄」を称賛した。「自己を犠牲にして他人に奉仕する人たちだ」と。

 「英雄」が誰を指しているかは説明するまでもない。死を招く目に見えない敵と闘う医療従事者たちのことだ。

 愛する人たちを危険にさらす恐れを抱えながらも、命を救うという職務を遂行している。そんな英雄が、どうして漂白剤を掛けられたり、感染を心配する家主によって借家を追い出されたりしなければならないのか。

 もちろんほとんどの人は、この戦いで医療従事者が負っている大きなリスクと献身的な努力を認識している。しかし残念なことに、医療従事者がウイルス蔓延の原因だと見なす人々もいるのだ。このために公共の場での差別がなかなか消えない。

 皮肉なことに、他人との距離を取るために定めた「ソーシャルディスタンス」が、彼らを避ける行為を助長している。

 国と一部の地方自治体は医療従事者や感染者、その家族への嫌がらせ、差別を防ぐ方向に動いている。しかし、本当に差別を無くすためには、人々の良識に呼び掛けるだけでは不十分だ。そうした行為をした個人を特定し、罰を与えなければ差別はなくならないだろう。(7日・スター)

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