警察州本部長ら4人を解任 国警、東ネグロス殺害事件で
比国家警察長官は東ネグロス州で14人が殺害された事件にについて警察高官4人を解任した
アルバヤルデ国家警察長官は2日、ビサヤ地方東ネグロス州で警察などが14人を殺害した事件に関連して、同州本部のタカカ本部長やカンラオン署長など計4人を、調査のため一時的に解任すると発表した。処分についてアニョ内務自治長官は、作戦に参加した警察官には「最良の弁護士を充てる」と、関係者を擁護した。
警察と国軍は3月30日、共産党の軍事部門、新人民軍(NPA)に対する大規模捜査を展開、発砲したなどして14人を殺害、15人を逮捕したと発表。遺族や人権団体などから「丸腰だった農民の虐殺だ」との批判が噴出し、双方の主張に食い違いが生じていた。
同長官は1日には「捜査令状に基づく合法的な捜査」と述べ、虐殺批判に反論。大統領府もこれを追認した。2日付英字紙インクワイアラーによると、東ネグロス州のデガモ知事は「なぜこれほど死者が出たのか」と述べ、警察に納得のいく説明を求めた。
アルバヤルデ長官はこうした批判に応え、調査のため本部長ら4人を一時的に解任した。比人権委員会(CHR)も独自の調査を行うよう地域支部に指示した。
農業組合連合(UMA)によると、殺害されたジプニー運行者・運転手組合支部議長は、令状を読んでいる最中に射殺された。捜査員は殺害後、左派系政党のアナックパウィスやバヤンムナの選挙資料を持ち去ったという。
またアナックパウィスの女性役員は、銃器違法所持の令状を突きつけられ、夫とともに外に連れ出され、「声を立てたら殺す」と脅されたという。警察は女性を銃器不法所持容疑で逮捕したが、人権団体によると、女性は銃器所持の覚えがなく「恐怖で黙る以外なすすべがなかった」と話したという。(岡田薫)