150億ペソの建設費はもったいない 上院議会ビルの新設事業法
上院議員らが18日、首都圏タギッグ市ボニファシオ・グローバル・シティ地区で新しい上院議会となる建物の着工式に参加した。ラクソン上院議員が代表を務める委員会の試算では当初、建設費は46億ペソ。しかし、先日の着工式では上院議会の試算で89億ペソとなった。建設業界に詳しい知人によると、同地区での建設費用の高騰などを計算に入れて11階建て上院議会場の建設費は土地代も含め150億ペソに上るという。
150億ペソの費用は国民のためもっと良い使い道があるのではないだろうか。今、最も必要なものとして、南沙諸島で比が実効支配しているパグアサ島の滑走路修理事業がある。というのも、アキノ前政権が中国を相手取って起こした領有権問題に関する仲裁裁判所への提訴に基づく判決でこのカラヤアン諸島を含む多くの島が単なる岩礁だと認定されてしまい、中国だけでなく台湾やベトナムも自分たちの実効支配する島を要塞化しているからだ。
他にも、はしかなどの予防接種プログラム費用や透析患者用の機器購入、首都圏の交通渋滞解消のための橋梁建設や高架道路の建設費用、さらには攻撃用ヘリの購入、もしくは貧困層向けの恒久的な炊き出しセンターの建設、はては刑務所や拘置所の混雑解消に向けた施設整備事業なども考えられる。
しかしわが上院議員たちはこれら事業に緊急性を感じていない。11階建て上院議会ビルは1階あたり2人の上院議員が事務所を持つ計算だ。こんなに広いスペースが必要なのか。上院は大統領に対し、連邦制を導入した場合、65人の上院議員が生まれるため、このスペースが必要だと説明した。
上院議会ビルは上院議員24人のエゴに対する記念碑だ。でも計画を進めさせるのも一案かもしれない。そうればこの役立たずの立法機関に対する人々の怒りが爆発し、大統領に上院議会を撤廃するよう求める一大デモが発生するかもしれないからだ。(20日・マニラタイムズ、リゴベルト・ティグラオ)