はしか感染4千人越える 昨年の4倍 死者も70人に
今年のはしか感染者数が前年同時期の2倍、4千人超に。死者は約4倍の70人
フィリピン厚生省は11日、今年1月1日〜2月9日までの40日間で4302人がはしかに感染し、死者数は昨年同期の約4倍に当たる70人に上ったと発表した。ドゥケ厚生長官は「死者のうち55人は予防接種を受けていなかった」と述べ、一昨年、副作用の可能性があるデング熱予防ワクチンが問題になったために児童の親が他のワクチン接種も避ける傾向が出ており、はしか感染拡大の一因になっていることをあらためて指摘した。
長官は「はしかワクチンは長年使われており、有効と証明されている。もう一度接種の重要性を信じ、子どもたちに接種を受けさせてほしい」と呼び掛けた。
同省によると昨年、同期間でのはしか感染者数は1935人、死者数は18人だった。
今年の地域別統計では、首都圏(感染1296人、死亡18人)、ルソン地方南部カラバルソン地域(感染1086人、死亡25人)、中部ルソン地域(感染481人、死亡3人)、東ビサヤ地方(感染212人、死亡4人)の順に多く、同省は4地域が「アウトブレイク」(流行)状態にあると宣言している。
また、ミンダナオ地方北部では流行宣言は出ていないが、既に189人が感染、5人の死者も出ている。(伊藤明日香)