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2月3日のまにら新聞から

VIP容疑者の待遇 司法の在り方

[ 641字|2019.2.3|社会 (society)|新聞論調 ]

 昨年末にバトカベ下院議員が殺害された事件で、国家警察は、ルソン地方アルバイ州ダラガ町のバルド町長を銃器不法所持容疑で逮捕した。しかし町長は逮捕後、警察署で容疑者写真を撮り、全ての手続きが終わったところで突然、過呼吸やぜんそく、高血圧を訴え、レガスピ市のサントトマス病院に搬送された。現在は空調のよく効いた病院の個室で、入院生活を送っている。

 フィリピンでは、政治家や有名人など「VIP容疑者」は常に何らかの口実を設けて入院する。これは今に始まったことではない。私たちは、権力を持った者と、そうでない者への司法の対応が明らかに違うことについて考えなければならない。

 同事件では、首謀者と目されるバルド町長のほか、殺害に直接関与したとして、ダラガ町役場で警備員として働いていた男6人も逮捕されている。国家警察によると、男たちは全員、バルド町長に指示を受けて殺害を実行したと証言しているという。

 6人は、他の事件の容疑者らと一緒に拘束されているが、もし彼らが高血圧や過呼吸を訴えたらどのような処置がなされるだろうか。おそらく薬が与えられるだけで、それでも治療や入院などを求めれば、何か理由を付けて、施設内で射殺されることもありえる。

 政府は容疑者逮捕につながる情報提供者に5千万ペソの報奨金を出した。国民の税金5千万ペソが支払われたということは、それだけ価値のある情報提供だったということだろう。この国の司法の在り方を、あらためて考える必要がある。(1月27日・スター)

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