インドネシア人による自爆テロか 死者22人に、掃討作戦継続
ホロ町の教会爆発事件は外国人による自爆テロとして国軍が掃討作戦継続
ミンダナオ地方スルー州ホロ町のカトリック教会爆発事件について、アニョ内務自治長官は1日、「実行犯はインドネシア人の夫婦」との情報を明らかにした。国軍も外国人による自爆テロとみており、事実と判明すれば、フィリピンでは昨年7月に続く2回目の大規模な自爆テロ事件となる。また、同日までの死者はさらに2人増え、22人となった。国軍は、犯行に関与したとみられる過激派アブサヤフへの掃討作戦を継続している。
ビサヤ地方タクロバン市で報道陣の取材に応じたアニョ長官は「過激派組織『イスラム国』(IS)に関連した組織に所属する外国人と、アブサヤフが事件を起こした」と明言、2018年7月にミンダナオ地方バシラン州ラミタン市の検問所で11人が死亡した自爆テロとみられる爆発事件と「つながりがある」と述べた。
爆発では国軍兵士5人、沿岸警備隊員1人が死亡している。
1日付けの英字紙タイムズは、国軍情報筋の話として、アブサヤフの下部組織「アジャン・アジャン・グループ」と接触したインドネシア人の男と女が自爆テロを実行した可能性が高いと報じた。同筋は「依然身元が分からず、身内からも問合せがないばらばらになった遺体2体がある」と話した。
目撃者の情報によると、女はバッグを教会の座席に置いて遠隔操作で爆破、その後男が自分の体にくくりつけた爆弾を教会の外で爆発させた。
国軍のデトヤト報道官は、身元不明の遺体があることを認め「2回目の爆発が起きた現場から50メートル離れた場所から遺体2体の頭部やあごなどが回収された」と述べている。
ドゥテルテ大統領は1月29日、爆発について「アブサヤフの夫婦による自爆テロ」との認識を示す一方で、ロレンサナ長官は「イエメンの夫婦による犯行との情報がある」と述べていた。
同27日午前の爆発事件以降、国軍と国家警察は容疑者の捜査と掃討作戦を行っており、同29日には容疑者1人を殺害、2人を逮捕したほか、スルー州パティクル、インダナン両町で過激派を狙った空爆も行った。
イスラム教徒自治区(ARMM)によると、パティクル町からは国軍とアブサヤフの交戦による被害を避けるために350世帯以上が避難している。(森永亨)