警察が組合員名簿を作成か 団結権侵害と教師ら抗議
教員組合ACT、警察が組合員のリストを作成していると告発、団結権侵害と非難
急進的教員組合ACTは5日、国家警察が同組合に加入している教師の名簿を作成していると告発し、「権力による教員の団結権侵害」と抗議した。ACTは警察本部から各支部、教育省、各学校に送られたとされる指示書を入手したとして、一部をフェイスブック上に公表している。
ACTが公開したのは、国家警察サンバレス州本部情報局が12月27日付で同州の全警察官宛てに出した指示書で「2019年の中間選挙を考慮して18年12月10日に国家警察情報部長が指示を下した」とし「公立、私立を問わず、すべての学校教員でACTに加盟している教員の名簿を作ること」を命じている。
名簿の提出期限は今月7日となっており、国家警察サンバレス州本部のドブレ情報部長が署名している。
テレビ局ABS─CBNによると、ドブレ部長はACTが公開した文書が実物であることを認め「指示の理由は聞いていないが、われわれの役目はただ実行するだけだ」と名簿作成を進める意向を示したという。
一方、エレアサール首都圏警察本部長らは指示書について「関知していないし、自分はそのようなことを部下に命じていない」と述べた。
ACT側は6日の声明で「ブラカン州や南アグサン州など多数の地域の学校から指示書について報告を受けており、警察は全国に指示を出しているとみられる」と指摘。「表現の自由や団結権への攻撃であり違憲だ」と強く反発している。
既に複数の教育省職員が名簿作りに協力していると指摘した上で「教員、生徒に悪影響が及ばないよう教育省は警察への協力を断るべきだ」と訴えた。
ACTは7日に国家警察本部前などで抗議集会を開くとしている。
比では選挙の際、監視員として全国の教員が動員される慣例がある。ACTは選挙監視業務に当たる教員の手当引き上げなどを過去に求めたことがあった。(伊藤明日香)