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10月26日のまにら新聞から

年長者を次期長官に 最高裁

[ 776字|2018.10.26|社会 (society)|新聞論調 ]

 最高裁の次期長官を選ぶため司法弁護士評議会(JBC)が候補者リストの作成に向け動き出す。JBCが候補者らにインタビューを行い、候補者リストを作成、そのリストから大統領が最終的に決定する。今回の最高裁長官の指名はこれまでの司法の歴史の中でも重要なものとなるだろう。

 コロナ最高裁長官が弾劾裁判で罷免されて以来、国内の司法制度はさまざまな問題に直面してきた。国内全土で正義を下すべき司法制度が多くの問題を抱えているのだ。中でも深刻なのが訴訟案件の山積み状態と裁判所の審理の遅延、そして汚職問題と司法インフラの未整備だろう。さらに高い弁護士費用なども相まって、貧しい国民が司法にアクセスすることができない状況だ。

 しかし、最近、マカティ地裁のソリアノ判事がトリリャネス議員の恩赦取り消し絡む裁判で逮捕状の発行を拒否する判断を下したことは特筆に値する。同判事は裁判所の誠実さや透明性、独立性の問題に光を当てた。ドゥテルテ大統領による麻薬撲滅戦争の正当性を、今後判断する国際刑事裁判所にとってもこのフィリピンの司法の独立性は判断基準の一つとなる。

 最高裁を機能させためには判事らの間における年長者の役割が重要だ。やはり年長の判事が長官になることにより最高裁が機能する。そういった点でもカルピオ判事が長官職に就く最有力候補だろう。

 歴代のフィリピン大統領は最高裁長官を決める際にこの年長者を選ぶ伝統を引き継いできた。最近の歴史でこの伝統が破られたのは、マルコスとアロヨ、ノイノイ・アキノの3人の大統領だけであり、しかも当時の状況から仕方なく決断している。最近罷免されたセレノ長官もやはり年長者としての資格に欠けていたことが機能不全を招いた。次期長官はこの不完全な司法制度の改革に全力で取り組んでほしい。(23日・スタンダード、トニー・ラビーニャ)

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