産休を105日に延長へ 両院委で可決 現状は60日
議会両院委で産休を105日とする法案承認。大統領の署名を経て今月にも成立へ
上院と下院からなる両院委員会は1日、出産休暇をこれまでの60日から105日に延長する産休延長法案を承認した。ドゥテルテ大統領の署名を経て成立する見込みで、フィリピンにおける産休は、国際労働機関(ILO)が定める最低98日の国際水準を上回ることになる。
両院委に参加したバルガス下院議員によると、法案では母親の産休105日のうち7日を父親の育児休暇に充てることも可能。また、独身の妊婦の場合はさらに15日間産休の延長が可能で計120日まで取得できることも定めているという。
法案本文や詳細はまだ公開されていないが、早ければ今月中旬に大統領は署名するとみられている。
現状の産休制度では原則として、社会保険機構(SSS)が産休中の給与全額を支給する。
先月通過した下院案では、SSS負担金支払いが3カ月未満の場合や、会社からSSSへの産休通知が遅れた場合などは、本来SSSから支払われる額と同額の手当を雇用主が支払わなければならないとされている。
上院案の執筆者の一人で、両院委での審議にも加わったホンティベロス上院議員は「法案承認は実に歴史的で革命的。比人女性全員にとっての勝利だ」と喜びを示した。
また、両院委に参加したビナイ上院議員は「新法が職場での女性差別を助長することがあってはならない」と述べ、企業が産休を嫌って女性の採用や昇進をしぶることがないようにけん制した。
延長される産休の日数は、昨年3月に可決された上院案時点では120日、先月可決された下院案では100日だった。
(伊藤明日香)