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6月15日のまにら新聞から

自国を売り渡すな 中国の比人漁師へのいやがらせ

[ 722字|2018.6.15|社会 (society)|新聞論調 ]

 国内報道で、今年5月にフィリピン人漁師たちが中国の沿岸警備隊に漁獲の一部を取り押さえられ奪われている様子が映し出された。この報道はカルピオ最高裁長官代理らを怒らせ、中国に対する抗議を政府に求める声が高まった。漁師は「やつらは比人を見下している」「自分たちが裁判で勝ったはずなのに、漁をするのを禁じられている」と嘆いた。

 大統領府は漁師たちを招いて記者会見を行ったが、ロケ大統領報道官はこの行為はハラスメントではなく「物々交換だ」と釈明した。

 遅すぎた危機管理だった。漁師たちは比の排他的経済水域に含まれるスカボロー礁の周辺で漁業をしていただけだ。しかも今回の敵対行為が、フィリピンの独立宣言から120周年を迎える直前に行われたのだ。

 このタイミングゆえに多くの批判が巻き起こった。あるネットユーザーはツイッターに「自分は祖国が独立国家だと思っていた。どうしてまだ諸外国の奴隷のような状態なのか。祖先が命を捨てて戦ったのは何のためだったのか」と書き込んでいる。

 独立のための戦いで多くの血が流れた。アギナルド将軍が1898年6月12日にカビテで独立宣言した後も、国際社会では比がスペインの領土と考えられていた。同年12月10日にスペインは比を米国に2000万ドルで売り渡した。1946年に正式に独立するまで50年もかかった。

 中国が仲裁裁判所決定をゴミ箱に捨てて嫌がらせ行為を続けているにもかかわらず、ドゥテルテ政権は融資支援と引き換えに南沙諸島問題に口をつぐんでいる。この政権はいつまで服従するのか。

 結局、比はまた、120年前の2000万ドルと等しい今日の金額で自国を売り渡すだけなのか。(12日・インクワイアラー)

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