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2月25日のまにら新聞から

国内雇用の創出が肝要 OFW派遣停止

[ 615字|2018.2.25|社会 (society)|新聞論調 ]

 クウェートで働くフィリピン人をめぐる恐ろしい事件を受けて、ドゥテルテ大統領が比人労働者の虐待や死亡事例が多い国々への比人派遣停止を検討することは妥当と言える。

 だが、停止措置に比国内での雇用創出努力の強化が伴わなければ、海外での職探しを止めることはできない。これらの国で働く人々の帰国拒否もあり得る。

 比人海外就労者(OFW)についての恐ろしい事件は長年知られてきたが、海外でよりよい収入を願う比人の出国が止まることはなかったし、就労者の大量帰国につながることもなかった。

 停止措置は武力紛争地域ですら長続きしないだろう。祖国で同様の仕事をしても望めないような賃金が、OFW現象の最大の原動力だ。また、地域での雇用機会の不足も要因となっており、国内では地方から都市への人口流入を促している。

 クウェートで働く推定25万人の比人のうち、これまでに帰国を選択した人は1%にも満たない。

 ドゥテルテ政権がクウェートなど数カ国での就労の全面停止を真剣に考えているのならば、比国内で適切な代替雇用を用意しなくてはならない。

 雇用機会の創出には、ビジネスが行いやすい国にしていく改革が求められる。それには労働者の技能を向上させる教育が必用だ。小起業家への支援拡大も望まれる。経済団体は、農業などが雇用創出に有望だとみている。

 OFW派遣停止は、代わりの雇用が比国内で得られる場合にのみ効果的だ。(23日・スター)

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