復興のため団結を マラウィ制圧
「マラウィは解放された」。その知らせに国民全員が歓喜に湧いた。危険を賭して過激派マウテ・グループやアブサヤフと戦った兵士ら、とりわけ、命を落とした200人近い兵士の勇敢さと愛国心には敬意を払わなければならない。交戦では双方で千人以上が死亡し、数十万人以上の住民が避難した。マラウィ市が被った損害は数十億ペソにも上るとされる。
国を挙げて復興に取り組む一方で、考えなければならないのは「悲劇は防げたのではないか?」ということだ。ドゥテルテ大統領は占拠以前から兆候を把握していたという。政府には過激派の計画をくじくための時間があった。この疑問を解明するために、徹底した調査を行うべきだ。
このように国民が団結しなければならない時に、大統領が「革命政府を樹立する」と言って人々を恐れさせるのは理解に苦しむ。彼は自身の政権に対し革命を起こすつもりなのだろうか。実に奇妙な発言だ。
この困難を乗り越えるために、われわれは大統領や保守的なドゥテルテ支持者が引き起こす国内の対立を終わらせなければならない。支持者の一部はネットを通じて、「反ドゥテルテ主義者」とみなした人々に関する嘘を拡散している。彼らは「カトリック司教協議会(CBCP)が過激派指導者らの殺害に遺憾の意を示した」とするデマを流し、カトリック信者が8割を占めるこの国で人々の反感を買っている。大統領支持者は嘘をつくことで人々の間に溝を作り、皮肉にも政権を弱体化させているのだ。(20日・スター)