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8月20日のまにら新聞から

ジャーナリズムの行方 ブロガー取材許可問題

[ 693字|2017.8.20|社会 (society)|新聞論調 ]

 大統領府はこのほど、フィリピンで一般的に「ブロガー」と呼ばれる、5千人以上のフォロワーがいるソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)やブログでの発信者に、大統領を取材する取材許可証を交付することを明らかにした。ブロガーの発信内容は、信ぴょう性について「偽ニュース」などと批判されることも多く、ジャーナリズムの行方が問われている。

 ブロガーの発信内容については、大統領選挙時から問題になってきた。ドゥテルテ氏当選後には、同氏を強く支持するブロガーや著名人の団体「DDS(ダイハード・ドゥテルテ・サポーター)」が大統領府に夕食に招かれたことも記憶に新しい。メンバーの中には、大統領府報道班から映画テレビ審査委員会の委員に任命された、元セクシーモデルでブロガーのモカ・ウソン氏も含まれていた。

 ブロガーといっても、優遇されてきたのはドゥテルテ支持派のブロガーたちだけだ。大統領府の取材許可を受ける記者は既存メディアでも枠に限りがある。発信方法が会員制交流サイト「フェイスブック」でのライブ動画発信ばかりであったり、他テレビ局の映像を編集して動画投稿サイトのユーチューブに転載するなどのブロガーの発信内容に対しては疑問を持つ声も多い。大統領府を取材してきた記者たちからは交付に批判の声が上がっている。

 米国のホワイトハウスでは12年前に初めて、23歳のブロガー、ガレット・グラフ氏に記者証を交付しており、最近ではトランプ大統領支持派のブロガーらに会見参加などの許可がおり批判の的となった。比の報道はどのように変化していくのか、焦点となってくる。(14日・インクワイアラー)

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