鴻海、東芝半導体出資に名乗り
経営再建中の東芝が分社化する半導体事業への出資に、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業が名乗りを上げていることが分かった。
鴻海は昨年、経営危機に陥ったシャープを傘下に収めた。同じ日本の電機大手の東芝が手掛ける半導体の主力製品「フラッシュメモリー」は世界的に競争力の高い優良事業とされ、強い関心を示しているという。
東芝はフラッシュメモリーの事業を分社化する計画。入札手続きには、このメモリーを製造する三重県の四日市工場に共同投資する米ハードディスク大手ウエスタン・デジタルや複数の外資系ファンドが参加したもようだ。
東芝はウエスタン・デジタルやライバル会社は除外し、経営への影響力を抑えるためファンドを含め株式を数社に分割して売却する方向だ。
東芝は当初、本体の優先株を引き受けてもらった上で、分社化した会社の株式に転換できる形を求めていた。入札に応じた陣営の多くは、一時的にでも本体に出資することに難色を示しており、この方式での成立は難しい見込みだ。(共同)