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1月22日のまにら新聞から

兄弟以上の関係 大統領邸訪問の意義

[ 754字|2017.1.22|社会 (society)|新聞論調 ]

 ドゥテルテ大統領は昨年10月に訪日した際、「日本は兄弟以上の関係である」と雄弁に語った。この発言は明らかに安倍晋三首相の心を揺さぶったはずだ。

 比日両国は第2次世界大戦中、敵対関係にあった。以来、日本は過去の残虐行為に対して遺憾を表明し、国家賠償を行い、そして真の友好国となった。

 日本政府は世界銀行に次ぐ規模の対比援助を実施してきた。唯一、比と自由貿易協定を結んでいる国でもある。比日経済連携協定(EPA)はアロヨ政権時に締結された。今後数年間は両首脳の意思に基づき、経済関係の成熟期を迎えるだろう。

 比日両国は同じ島国だ。日本はわが国が防衛面で支援を必要としている現状を理解し、巡視艇を供与した。国際協力機構(JICA)は渋滞や洪水問題の改善に向けた調査を行った。

 故に比日が今、兄弟以上の関係にあるのは間違いない。安倍首相はドゥテルテ政権発足後、初めて来比した外国首脳だ。ダバオ市にあるドゥテルテ大統領の自宅では朝食を取った。比の外交史上、前代未聞の出来事である。用意された料理は質素かもしれない。しかしこの朝食の意義は大きい。両首脳の単なる個人的関係にとどまらず、両国のトップレベル外交がさらに緊密な関係を築ける前兆と言える。

 外交官が用意した文書を読み上げ、演壇から「友好」「同盟」という言葉を口にすることはたやすい。しかし自宅を訪問し、その土地の味覚を共有することで、両国関係の絆は確実に強まった。 

 もしドゥテルテ氏が大統領でなければ、日本の首相が比の大統領宅で朝食をご馳走になることは想定できなかったはずだ。ドゥテルテ氏は、日本の首相が自宅で朝食を取るという提案を寛大にも受け入れた。比日関係に今、新境地が開かれた。(16日インクワイアラー、マーチン・アンダナー氏)

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