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1月8日のまにら新聞から

構造改革実行に期待 現政権の新しいスタート

[ 745字|2017.1.8|社会 (society)|新聞論調 ]

 2017年の初めに願うのは、ドゥテルテ政権がマルコス独裁政権の暗黒の時代を繰り返すのでなく、フィリピン国民のための政策を全力で行っていくということだ。私、フィデル・ラモスは、ドゥテルテ大統領が戒厳令発布のための改憲に言及したとクリスマスイブに聞き、マルコス元大統領が行ったような独裁政治が帰ってくるのではと心から残念に思った。

 大統領は22日夜、ルソン地方パンパンガ州で行った演説で、上下両院の承認を得ずに戒厳令を発布できるよう憲法を改正すべきと発言した。比国民の残念な性格として、歴史を忘れやすいということが挙げられる。歴史上で犠牲になった人々や、彼らの苦闘から学ぶことなく、歴史を忘れてしまう。ドゥテルテ政権が今後、国民の真の幸せのために働き掛けることを願う。

 また今年は、現政権に構造的な改革を実行することを期待する。フィリピンは中所得国と分析されているが、近隣諸国と比べ、富裕層と貧困層の収入の差が大きく貧困層や中間層の人口が大きい。「包括的成長」が重要になってくる。

 比社会を変革していく上で、汚職撲滅は必須だ。現政権も政策を打ち出しているが、長期的な対策が必要だろう。構造改革には強力なリーダーが必要である一方で、リーダーについていくチームと国民が大切なことは言うまでもない。

 貧富の差の是正や構造改革を実現するには、現政権が力を入れるインフラ整備の他に、国内の製造業、そして農業、観光業の強化が必須となってくる。

 製造業にはインフラ整備も必要だが、製造業は雇用創出の可能性を秘めており、変革の鍵となってくる。製造業と並び力を入れるべき農業改革には、かんがい整備が重要だ。生産量と農作物の質を上げることも必要だろう。(1日・ブレティン、フィデル・ラモス氏)

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