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11月20日のまにら新聞から

「英雄」としての埋葬 マルコス元大統領

[ 747字|2016.11.20|社会 (society)|新聞論調 ]

 マルコス元大統領の英雄墓地埋葬に関し、ドゥテルテ大統領は「マルコス氏を英雄墓地に埋葬することは、必ずしも彼を英雄と認定するということではない」といった発言をしている。しかし本当にそうだろうか。マルコス一家が、マルコス元大統領を「英雄」として同墓地に埋葬するという動機は、比国民の誰もが理解している。

 マルコス氏は世界でも知られるほどの汚職で国民の信頼を失い、同時に人権侵害を侵した独裁者としても有名だ。そんな元大統領がなぜ英雄墓地に埋葬されるのだろうか。

 もともと英雄墓地は、第二次世界大戦で戦い命を落とした兵士のために建立された。だから、これまで全ての元大統領が英雄墓地に埋葬されているわけではない。同墓地に埋葬されているのはキリノ、ガルシア、マカパガル元大統領のたった3人で、他は比各地の違う墓地に埋葬されている。英雄墓地への埋葬は、明らかに特別な意味を持ち、国民が「英雄」として認める者こそが埋葬される。マルコス元大統領は今回、「英雄」となって埋葬される。

 マルコス氏長女のアイミー・マルコス北イロコス州知事は今月、英雄墓地への埋葬はマルコス氏の生前からのたっての希望であったと明らかにした。多くの支持者がいるマルコス家の地元、北イロコス州に安らかに眠ることもできたはずだが、マルコス氏は英雄墓地に埋葬されることが何を象徴しているかをはっきりと理解していたのだろう。

 ドゥテルテ大統領はマルコス氏を「歴代で最も素晴らしい大統領」とたたえていた。そんな今、マルコス氏埋葬とともに私が恐れるのは、副大統領選で敗れた元大統領の息子のボンボン・マルコス上院議員が、ドゥテルテ氏の支持を得て、次期大統領への階段を上っていくことだろう。(14日・スター、アナ・パミントゥアン編集長)

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