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11月20日のまにら新聞から

上空での政策会議 「夜行性」大統領

[ 733字|2016.11.20|社会 (society)|新聞論調 ]

 ドゥテルテ政権発足から大統領とは、ラオス、ベトナム、ブルネイ、中国、日本、タイ、マレーシアと既に多くの国々を訪れてきた。アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が開催されるペルーまでは1万6千キロも空の旅を共にしなければならず、各国を訪問する際の航空機搭乗中は、同行団の皆はいやが応でも狭い空間の中で顔を合わせなければならない。そこで顔を出すのが、ダバオ市長時代から変わらない、大統領の「夜行性」の習慣だ。

 多くの人が知るように、大統領の体内時計は大半の人間のものよりずれている。従って深夜の記者会見などもまれではない。外遊の際も訪問先までの深夜フライトでは、同行の各省長官や報道官らが少しでも睡眠を取ろうとしているのもおかまいなしに、国内で発生しているさまざまな問題について質問を浴びせ、上空3万5千フィートでの政策会議が始まる。

 機内の通路を挟んだ会議は、大統領に提案がある閣僚らにとっては数少ない大統領の注意を引きつけるチャンスだ。上空の会議で大統領からのゴーサインが出ることもある。ドゥテルテ政権は、上空で最も多くの政策決定を行った政権として記録を破ることができるかもしれない。

 ダバオ市長時代から、大統領は深夜には自宅に止めたオートバイか私用タクシーを自ら運転して、警察官よろしく「夜のパトロール」を行っていた。夜のダバオ市内を自ら視察することで、市政刷新のアイデアを得て、混とんとした同市を平和へと導いた。

 演説中の発言などから世の注目を集め、偏った観点からの報道がされることの多い大統領だが、機内での熱心な態度を見ると、それこそが大統領の真の姿だと私は思うのだ。(17日・インクワイアラー、マルティン・アンダナー大統領府報道班長)

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