コーヒー名産地復活へ カリンガ州
ルソン地方北部、カリンガ州のコーヒー農家がこのほど農務省から1480万ペソの地方開発援助を受けることになり、精製法を改良するなど品質向上と増産を目指している。
同州コーヒー栽培者組合(組合員626人)のマクシモ・ワリスさんは同省傘下の比地方開発プロジェクト(PRDP)の研修を受け、「コーヒー農園の土質向上のためにはまず、放置していた雑草取りが肝心であることを学んだ」とトレーニングの成果を語った。
ワリスさんによると、州都タブック市の市場ではこれまで、生豆の値段は業者が言うままの、キロ当たり80ペソで買い取られていた。しかし、PRDPが推進している、生豆を水洗いして乾燥させる「湿式」の精製法を採用したことで、キロ当たり92・5ペソで売れるようになったと話す。従来の天日干しの「乾式」の精製だと同83ペソだった。
湿式法では、収穫した果実を水につけ浮いてきた未熟果実を除去、品質を均一化させることで商品価値を高めることを可能にした。湿式法で精製、コーヒーの果実から外皮や果肉を取り除いた乾燥豆はキロ当たり115ペソでの高値で、比コーヒー協会やネッスル社などに引き取られるという。
ワリスさんによると栽培者組合の大部分のメンバーは自作のコーヒー園をもち、現在の年間生産量は約450トン。豆の種類は主にインスタントコーヒーの原料となるロブスタ種、レギュラーコーヒーで使うアラビカ種、そしてジャコウネコの糞から採れるシベットコーヒーなど。カリンガ州のコーヒー生産量は1970年から80年代にかけては国内首位を維持していたが、現在は第7位。(8日・ブレティン)