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9月14日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 547字|2015.9.14|社会 (society)|ハロハロ ]

 セブ支局のスタッフたちと時々、焼き鳥を食べに行く。焼き鳥屋は目抜き通りに面しているのだが、その一角だけ巨木が大きな枝を広げている。枝には緑の葉が茂り、30度を超す暑さの中でも枝葉の下は風が流れ、涼しい。野外の木陰にテーブルと長椅子がある。そこへ腰をおろし、ビールと焼き鳥とココナツの葉で包んだご飯、プソツを注文する。

 小ぶりで、食べやすく切られた日本の焼き鳥に比べ、ここの焼き鳥は手羽も腿(もも)も脚も、切らずにそのまま大きな竹串に刺して持ってくる。中に一つだけ小さなハートのような形の部位を6,7個刺した串を見つけた。食べやすく、おいしい。たちまち3個を平らげて「これは何なの?」と聞くと「鶏の心臓だよ」との答え。なるほど、ハートの形をしているわけだ。

 ここもそうだが、フィリピンでは冷凍肉ではなくて、生きた鶏を絞めて、すぐ焼く。燃料はガスではなく、炭かまきである。おいしさの秘訣(ひけつ)だ。醤油、砂糖などのたれは日本に近いが、その脇にトウガラシの実が置いてあり、これを絞って、たれにかける。そのヒリヒリ感がたまらない。比日焼き鳥比較は両国の食文化比較につながりそうだ。一言で表現すれば片や「洗練」、こなた「豪快」か。日本から来る人はぜひ、食べ比べてもらいたい。(雍)

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