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6月1日のまにら新聞から

交通機関の早期改善を インフラ整備投資

[ 709字|2015.6.1|社会 (society)|新聞論調 ]

 フィリピンの職場では、公共交通機関のひどい状況について話題になることが多い。毎日必ず通勤をめぐる苦労話を口にする同僚がいる。職場からの約20キロを4時間かけて帰宅したという例もある。通勤、通学はもちろん、買い物や映画館に行くのにも大渋滞を覚悟しなければならない。

 過日来比したオーストラリアの貿易・投資大臣は、フィリピンは「経済成長の夢を追う以前に公共交通機関への投資を増やすべき」と発言。同大臣の意志を表すかのように、随行した者はすべて公共交通機関投資の関係者だった。

 フィリピンの財界関係者も同じように公共交通機関への投資増を政府に訴えてきた。こうした周囲の要望に対し、アキノ大統領は「渋滞は経済が好調な証拠」と冗談を飛ばしながらも、公共投資の増加を明言してきた。しかし、政府の公共支出額は微増にとどまっている。

 商業銀行バンク・オブ・ザ・フィリピン・アイランズ(BPI)のエコノミストは、「政府には一段階先にある経済成長の呼び水になるようなインフラ投資をする気概はないようだ」と酷評している。

 道路、鉄道、港湾、空港。すべての公共交通インフラが危機的な状況にある。交通渋滞による経済的損失は1日当たり20億ペソに上ると指摘されている。それ以上と指摘する専門家もいる。通勤に悩まされている人は購買力も低下してくる。首都圏全体で交通渋滞が慢性化している事実を考慮すれば、経済的損失は計り知れない。

 政府は積極的かつ早急にこの危機的状況を解消しなければならない。リップサービスはいらない。実施時期を設定し、複数の関係機関が集中して協力する態勢を作り、この問題に取り組むべきだ。(27日・タイムズ)

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