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6月23日のまにら新聞から

母国語を保護すべきか 教育制度改訂

[ 693字|2014.6.23|社会 (society)|新聞論調 ]

 初等・中等教育12年制が完全導入される2016年までに、大学生を対象にした一般カリキュラムの必須科目から、フィリピン語を外すことを決めた高等教育委員会(CHED)に非難が集まっている。

 CHEDは「大学に入学する直前までの義務教育では、フィリピン語が必須科目になっているため」と決定の正当性を主張している。

 CHEDは大学では専門科目に集中すべきとの見解も示している。しかし、1987年に制定された現憲法には「国の正式なコミュニケーション手段として、また教育課程で使用される言語として、政府はフィリピン語を保持し、そのための施策を実施する」と明記されている。

 CHEDの決定は、大学でフィリピン語を教えている正規採用の教師1万人だけでなく、2万人の非正規教師にまで影響が及んでくる。ある者は職をなくし、ある者は収入が減るだろう。

 いったい決断の背景には、どんな問題があるのだろうか。学校でどのように言語を学んでいるかをきちんと分析すべきだ。英語を話すことが苦にならないというフィリピン人がますます増えているという事実も見逃せないだろう。

 海外の国々は、英語能力の高いフィリピン人の働き手を重宝している。雇用主と不自由なく意思疎通ができるためだ。

 今回のCHEDの決定が母国語を裏切る形になったのは皮肉なことだ。フィリピン人にとっての教育の目的は、他国に同化することが全てなのだろうか。

 それとも、たとえ海外の国々にとって魅力のない、英語能力が低い人材を輩出し続けるという結果になったとしても、我が国は母国語を保護し続けるべきなのだろうか。(18日・マラヤ)

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