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5月5日のまにら新聞から

有期雇用の放置許すな メーデーで政権批判

[ 713字|2014.5.5|社会 (society)|新聞論調 ]

 5月1日のメーデーでは、任期が残り2年になったアキノ大統領に対する厳しい批判が相次いだ。急進的な労働組合連合の5月1日運動(KMU)が主催した集会だけでなく、穏健的な組合連合であるフィリピン労働組合会議(TUCP)などが主催した集会でも、大統領に対し、厳しい非難の声が渦巻いた。

 5月1日運動の集会では、アキノ政権が全国一律125ペソの最低賃金引き上げ要求を無視し続ける姿勢や、米国との防衛強化に向けた新協定の締結、さらに改憲案を支持するなど国民の福祉や国の主権をないがしろにしているとして非難が出た。

 一方、TUCPなどは、アキノ政権と数年にわたり直接対話に臨んだものの、有期雇用のまん延など様々な問題提起に対して、大統領は口約束だけで実際に対策に乗り出しておらず、「極めて失望した」と声明を出している。さらにこの穏健派グループは、電気料金の引き下げに向けた対策も講じず、民営化の促進などアロヨ前政権と同じ経済運営を踏襲しているアキノ政権の無策ぶりに驚きも示した。

 有期雇用はそもそもマルコス政権期に推し進められた輸出加工区における組合潰し政策が端緒となっている。しかし、これが合法化されたのは1989年の労働法改正によってである。有期雇用は通常、企業が労働者と結ぶ契約に5カ月までの雇用期間を明示したケースである。6カ月雇用すると正規雇用しなければならないため、5カ月間に限定する。最近は派遣会社も絡み、派遣労働者として有期雇用を繰り返すことも増えてきている。有期雇用は最低賃金も守られず、労働者の権利である団結権や交渉権もない。政府は企業にくみし有期雇用を放置している。(3日・スター、サトル・オカンポ氏)

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