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4月21日のまにら新聞から

上院による審議望む。米軍プレゼンス強化

[ 703字|2014.4.21|社会 (society)|新聞論調 ]

 フィリピンでの米軍プレゼンス強化を目的とする新たな枠組みは、ほぼ合意に達し、あとは署名を待つのみだ。比政府は近々予定されているオバマ米大統領の訪問に合わせて合意を急いだわけではないと主張する。しかし、すべての徴候は、米大統領が訪比した時に枠組み合意の草案に署名されることを示している。

 米軍が比を大々的に支援することは分かっているが、合意内容はすべてが明らかにされてはいない。

 比側が求めているのは必要最小限の防衛体制を築くことだ。それはつまり、中国に対する抑止力を持つということを意味する。

 しかし、たった一カ国との同盟だけでは、真に安全は保障できない。たとえその国が世界有数の経済力と軍事力を誇っていてもだ。

 合意内容は、大統領だけで決められてはならない。立法府で審議されなければならない。合意の趣旨と目的からいって、これは協定だ。それならば、上院によって審議される必要がある。しかし、米大統領訪問を見据えたかのような合意は、大統領府が、この合意は大統領決定だけで問題ないと正当化したことを表している。

 「米軍が比国内に持ち込み可能な物資の中に核は含まれない」などといった、国防省が公表した一部条項以外の、本来の合意の示すところについては、我々の耳には届かない。国会議員が合意に参加できないからだ。

 「比の領域内に米軍基地の設置や常駐はしない」との条項も、国防省が公表した資料で読むことができるが、その条項の価値を決定する権利は我々にはない。上院による議論をすべきだが、悲しいことに大統領府は国民の参加よりも、合意達成の能率化を重視しているようだ。(14日・インクワイアラー)

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