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3月31日のまにら新聞から

避難所で増え続ける死者

[ 708字|2014.3.31|社会 (society)|新聞論調 ]

市街占拠事件

 モロ民族解放戦線(MNLF)初代議長派によるサンボアンガ市街占拠事件から半年。死者は増え続けている。戦闘で兵士・警官23人、初代議長派約100人、民間人9人が死亡した。しかし事件収束後の避難所で、すでに102人の民間人が死亡した。

 戦闘で民家約1万戸が焼け、住人11万6千人が避難した。半数は帰宅、3分の1は親類や友人宅に身を寄せたが、依然2万人が市内の避難所9カ所で生活している。避難所で死亡した102人の多くは、海辺のカワカワ地区にいる海漂民族バジャオと、スポーツセンターのタウスグ民族だ。

 102人は病死だった。二つの避難所は恐ろしい状況におかれている。バジャオのリーダーの言葉は大げさではない。「避難所に閉じ込めておくことでじわじわ殺す気だ。住んでいた場所に帰らせてほしい。でないと全員死んでしまう」。2カ所で3日ごとに1人が死んだ計算になる。

 自身もタウスグでイスラム教徒の社会学者アブドゥルカリム氏は、宗教的偏見が避難者に対する残酷さにつながっていると指摘する。「イスラム教徒だからという側面もある。キリスト教徒ならすぐに帰宅させていただろう。避難者はそう感じている」

 サラザール市長は非難すべき相手を心得ている。「避難所の死者もすべてMNLFのせいだ。問題の根源はキリスト教徒ではない」。一理あるが、一理でしかない。戦闘地域を「環境保護区」にして住民の帰宅を禁ずる問題の決定が出た後、国が再定住地を準備するのを市政府は待つべきでなかった。その気になれば屋外トイレや薬、食料のために寄付を募るくらいできるだろう。助けのない無力感と被害者意識が広がれば最悪だ。(28日・インクワイアラー)

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